第11章 護衛役
し「はい。」
4人で昼餉をとり、しのぶと祈里の手合わせのため再び道場に戻る。
しのぶと祈里はそれぞれ竹刀を手に向かい合う。
『では、準備はいいですか??
使用するのは竹刀のみ。先程と同じで祈里さんは呼吸の型を使っても構いませんが、しのぶさんはなしでお願いします。』
し「わかりました。」
祈「はい。よろしくお願いします。」
向かい合う2人の顔を交互に見てルールを説明する。
2人が頷いたことを確認し、右腕を上げる。
『それでは…はじめっ!!』
合図と同時に激しく打ち合う2人。
祈里が技を出し、しのぶが受け流すか、ひらりと避ける。
そんな攻防が続く。
その様子を音羽と眺めていた杏はあることに気づく。
『…誰か外にいますね。』
音「え??そうですか??」
杏の呟きに反応した音羽が首を傾げる。
『えぇ、少し人の気配がします。』
音「では、私が見てまいります。」
『お願いします。
不審者でなければ、こちらへ通してください。』
音「わかりました。」
ペコッ、と軽く頭を下げ、道場を出る音羽。
音(どなたかしら…。)