第11章 護衛役
花たちを眺めながら思い出したかのように尋ねる。
無限列車の任務後、杏が炭治郎たちの姿を見たのはあの柱合会議だけだ。
あれから杏も蝶屋敷にはいたが、蝶屋敷はとても広く、さらに柱である杏と一般隊士の炭治郎たちとでは病室の位置が遠く、出会う機会がなかった。
柱と一般隊士の病室の位置を離しているのはしのぶ曰く、「療養中の一般隊士たちが柱なんて見たらゆっくり療養できませんからね」だそうだ。
し「元気ですよ。元々炭治郎くん以外の2人は特に大きな怪我もありませんでしたし、その炭治郎くんも怪我が完治したので3人で鍛錬しつつ、任務に行ってますよ。」
しのぶは花にとまっていた蝶を指にとめ、ふふっ、と笑い声を零しながら炭治郎たちの近況を教えてくれる。
し「あの3人は見ていてとても楽しい子たちですよ。」
『そうなのですか??』
し「えぇ。本当に、あの子たちは毎日“掛け合い”をしているようです。」
思い出したのかクスクス、と笑うしのぶ。
『その様子見てみたいですね。』
杏もふふっ、と笑い声を零す。
『というか…しのぶさん、あの3人の保護者みたいになってますね。』