第11章 護衛役
ほっ、と胸をなでおろす杏。
し「それで一体何があったんですか??」
『…実は、手合わせをしていてその途中で鍔迫り合いになったんですけど、つい力を入れすぎてしまって…。』
シュン、と見るからに沈みながら話す杏。
そんな杏を見てクスクス、と笑うしのぶ。
し「まぁ、それは災難でしたね。
えっと、音羽さん…でしたか??」
しのぶからの問いかけによって、挨拶するタイミングを失っていた音羽がハッ、と慌てて頭を下げる。
音「申し遅れました。この度、桜柱 音白杏さまの護衛兼世話役の任に就かせて頂きました。
鬼殺隊 階級 丙 佐々木音羽と申します。」
し「よろしくお願いしますね。」
ニコニコと笑うしのぶ。
『しのぶさん、手紙には用件は書かれていませんでしたが、今日はどういったご用でいらしたんですか??』
やっといつもどおりに戻った杏が気を取り直して尋ねる。
し「祈里さんと音羽さんに杏さんの看護の仕方を教えるためですよ。」
『そうだったんですね。
わざわざありがとうございます。』
し「それにしても…お2人とも素敵な着物を着てますね。あら、髪飾りもお揃いでしょうか??」