第3章 壊された幸せ
家の中の惨状を目の当たりにした男たちは眉間にシワを寄せる。
驚き、うっすらと希望の光を宿した瞳でこちらを見つめる傷だらけの娘。
血を流し、倒れている2人の娘。
そのうち、1人のそばで泣いている幼い少女。
この子には外傷は見当たらない。
そしてなにより、重症である娘が自分よりも幼い少女を助けてくれと言っている。
槇「もう、大丈夫だ。あとは任せてくれ。」
傷だらけの娘の視線に高さを合わせて話す特徴的な炎を思わせる髪色で同じく炎を思わせる羽織を着用している男。
槇「悲鳴嶼、そっちの子を頼む。」
悲「承知した。」
炎のような男に指示され、杏の所に来た男は数珠を付け、南無阿弥陀仏が描かれた羽織を着用している。
童「うーん、どうしようかなぁ。さっきの娘たちのせいで時間かかりすぎちゃってもう夜明けちゃうなぁ。」
2人の男の登場に、悲しそうな顔をする童磨。
槇「俺たちが来たからには逃さない!!
覚悟しろ、上弦の弐!!」
悲「南無阿弥陀仏…。」
刀を抜き、戦闘態勢に入った男たち。
童「うーん、やっぱりごめんね??
君たちの相手はできないや。
時間ないし、その娘だけ連れて帰るよ。
ちょっとケガさせちゃうかもだけど、ごめんね。」