第11章 護衛役
『よかった。これどうぞ。』
まだはぁはぁ、と言っている祈里に水の入った瓢箪を渡す。
祈「すみません、ありがとうございます。」
瓢箪を受け取り、水を飲む祈里。
『さて、祈里さんはもう少し筋力が必要ですね。素早さはあるようですが、そこももっと鍛えていきましょう。』
水を飲み終えた祈里に微笑みながら軽く講評を伝える。
祈「はいっ。」
祈里の元気の良い返事に小さく頷く。
『ちなみにお2人は全集中常中はできますか??』
聞き忘れてました、と付け加えながら尋ねる。
全集中常中ができるかどうかは重要なこと。
昨日、今日と見てきてわかったことは全集中常中のことは知っているだろうということだ。
常にしている様子が見られたからだ。
しかし、ふとした瞬間に苦しそうな顔をしたりしていてまだ慣れていないのかと感じていた。
祈「できないことはないのですが、まだ少し辛いです。」
音「私もそんな感じです。
意識していないと止まってしまいます。」
『そうなんですね…。わかりました。』
ふむ、と少し考え込む杏。
『とりあえず、次は音羽さんいきましょうか。』
音「は、はいっ。」