第11章 護衛役
祈里の構えから即座になんの技かを推測する。
──ガガガッ
たちまち3連撃を繰り出し、それを受ける杏。
杏(さっきの紅花衣のときより重くないわね。
連撃技だからかしら。確かに速いけど…。)
──ガッ
祈「くっ、」
杏(これだけ軽ければ簡単に弾けてしまうわ。)
祈里が4連撃目を入れようとした瞬間、杏は祈里の竹刀を弾く。
思わず一歩引いてしまう祈里。
しかし、すぐに顔を上げて突っ込んでくる。
─ 花の呼吸 陸ノ型 渦桃 ─
空中で身体を回転させながら斬りつけてくる。
杏(“渦桃”…。正直、花の呼吸の中じゃこれが1番苦手なのよね。弾きづらいもの。)
回転しながら突っ込んでくる祈里を静かに観察しながら竹刀を構える。
──ガッ
正面から受け、そのまま受け流す。
祈「きゃっ、」
杏に受け流され、回転の勢いそのままに地面に倒れ込む祈里。
音「そ、そこまでっ!!」
『祈里さん、大丈夫ですか??』
音羽による静止の声がかかり、倒れ込んだ祈里のもとへ向かう。
祈「はぁ、大、丈夫、です…はぁ。」
呼吸を乱しながらもなんとか起き上がる祈里。