第3章 壊された幸せ
『やだ、そんなこと言わないでよ…。
ゆり姉さん!!もみじ姉さん!!』
も「ご、めんね…あんず…。
まだ、小さいのに、ね、」
その言葉を最期にもみじは目を閉じ、杏の頬に触れていた手が力なく落ちた。
『やだっ、もみじ姉さんっ!!!!』
もみじの手を握り、泣き叫ぶ杏。
童「もうそろそろいいかな??」
まるで空気を読まない童磨が乱入してくる。
ゆ「どう見たってまだでしょう??」
右手は杏の肩に手を置き、童磨を睨みつけるゆり。
しかし、ゆりの視界は狭窄していた。
ゆ(…っ、私も…あとちょっとね…。
お願い、だれでもいいから、…助けて…。)
助けを求め、少し目をつむって祈る。
童「君も“青い彼岸花の君”と最期のお別れがしたいのかい??あまり時間ないんだけどなぁ。」
童磨は困ったかのような顔をして、ゆりに尋ねる。
ゆ「……ん…よ。」
童「ん??なんて言ったのかな??」
ゆりの小さな呟きに童磨が聞き返す。
ゆ「この子の名前は杏よ!!
“青い彼岸花”なんかじゃないっ!!」
キッと童磨を睨みつけるゆり。
童「へぇー、そうなんだぁ。」