第11章 護衛役
疑問を口にする音羽。
『あれはお館様から頂いた特別な桜の木なんです。季節に関係なく、いつでも見事な花をみせてくれますよ。』
音「そんな桜があるんですね。」
『すごいですよね。あの桜の木と先程の4つの客間、そして、この表に咲き誇る色とりどりの花たち…。これらのことからここは花屋敷と呼ばれています。』
祈「それが語源だったのですね。」
杏の説明に納得したような表情をみせる祈里。
そんな祈里に小さく頷いてみせる杏。
『さて、そろそろ屋敷に戻りましょうか。
次はお客様対応についてご説明しますね。』
祈.音「「はい!!」」
これからは杏ではなく、彼女たちがお客様を出迎えることが増えるだろう。
そのため、杏は1つ1つ丁寧に教えていく。
そんなことをしていると、いつの間にか辺りが暗くなっていた。
『あら、もうこんな時間ですね。
お2人とも任務はありませんか??』
音「はい。」
祈「私も、指令はきておりません。」
『では、そろそろ夕餉にしましょう。』
祈里と音羽に任務がないことを確認し、手を合わせて微笑む杏。
祈「でしたら、私たちがお作りしますので湯浴みをしてきてください。」