第11章 護衛役
『…ありがとうございます。』
一瞬、目を見開き驚いていたが、すぐに優しく微笑む。
一口緑茶を啜り、湯呑を置く。
『さて、では…お2人はお館様からどこまで聞いていますか??』
杏の言葉に目を合わせる祈里と音羽。
祈「…桜柱さまが記憶を失っており、近頃頭痛に悩まれ鬼殺に影響が出ていると聞いております。」
音「極力、共に行動して桜柱さまが動けなくなった際に守ってほしい、と言われております。」
お館様から聞いた言葉をできるかぎりそのまま話す2人。
『そう…。頭痛の原因について私は特に詳しくは聞いていないのだけど、恐らく記憶が戻りかけているからだと考えられます。以前の任務で上弦ノ参に遭遇してから時折、激しい頭痛があり動けなくなります。』
祈「上弦…!!」
音「戦ったのですか…??」
『…逃がしてしまいましたけどね。』
目を見開く2人に小さく微笑んでみせる。
『さて、貴方たちからなにか質問はありませんか??答えられることなら何でも答えますよ。』
気を取り直して湯呑を手に取る。
音「失礼ですが、ご年齢は…??」
『16ですよ。』
音「年下…!!あ、私は17です。」