第11章 護衛役
1人はふわふわとした髪を肩で切りそろえている可愛らしい少女。
もう1人は高めの位置で髪を結っている可愛いというより綺麗な少女。
祈「この度、桜柱さまの護衛兼世話役の任に就かせて頂きました。階級 丙 花柳祈里と申します。」
音「同じく、階級 丙 佐々木音羽と申します。」
まず花柳祈里、と名乗った少女が笑顔で穏やかに、次に佐々木音羽、と名乗った少女が真顔のまま静かに自己紹介をする。
『…はじめまして、かしら??
桜柱の音白杏と申します。
とりあえず上がってください。』
ニコッ、と微笑み、2人を屋敷の中へと誘導する。
祈「はい、失礼いたします。」
音「失礼いたします。」
さっ、と草履を揃える2人に好感を抱きながら一先ず居間へと通す。
庭が一望できるようになっており、開放感がある居間だ。
2人を座らせ、それぞれの目の前と自分の前に緑茶を置く。
『さて、と…改めまして、桜柱の音白杏です。
この度は任を引き受けて下さり、本当にありがとうございます。』
深々と頭を下げる杏。
そんな杏を見た2人は慌てたように声を上げる。
祈「桜柱さま!!頭をお上げください!!」