第11章 護衛役
ア「はい!!」
パタパタと走っていくアオイ。
し「カナヲ、どうでしたか??」
一言も発さず、下を見ていたカナヲにしのぶが優しく声をかける。
カ「……全部を目で追うことは出来ませんでした。」
し「そうですか…。
でしたら、もっと鍛錬しましょうね。」
へこんでいる様子のカナヲに微笑むしのぶ。
し「焦らなくても大丈夫ですよ。
一歩ずつ強くなればいいのですから。」
カ「…はい。」
しのぶの言葉に頷くカナヲ。
『私…ちゃんと指導できるでしょうか。』
その様子を見ていた杏が小さく呟く。
し「ふふっ、大丈夫ですよ。
そんなこと心配なさってたんですか??」
『そんなことじゃないですよ。
ちゃんと導いてあげられるでしょうか。』
杏は俯き、不安そうに眉を下げる。
し「杏さんなら大丈夫ですよ。」
不安そうな杏に優しく微笑みかけるしのぶ。
し「あなたはあなたが思う通りに行動したらいいんです。きっと上手くいきますよ。」
『しのぶさん…。ありがとうございます。』
しのぶの言葉にニコッと笑顔をみせる杏。
しのぶも満足そうに頷く。
ア「杏さん!!」