第11章 護衛役
し(っ!!しまっ…)
下からしのぶを見上げる杏を見て、杏の狙いを理解したしのぶ。
──ガタンッ
『はぁはぁ…。』
し「はぁはぁ…。」
『っ、勝負あり、ですね。』
し「…えぇ。」
ア「そこまでっ!!」
自身に向かって跳んできた杏を避けようとしのぶは空中で身をひねったが、杏の手がしのぶの手首を掴むのが速かった。
杏が手首を掴んだことによりバランスを崩したしのぶとそれと共に落ちた杏はしのぶを押し倒す形で床に倒れ込んだ。
ア「お疲れ様です!!」
水のはいった瓢箪を2つ抱えてアオイが走ってくる。
カナヲもアオイの後ろから駆け寄ってきた。
し「ありがとう、アオイ。」
『ありがとうございます。』
杏としのぶは瓢箪を受け取り、水を飲む。
し「もう十分動けているようですし任務に復帰しても大丈夫ですよ、杏さん。」
瓢箪から口を離したしのぶが微笑む。
『本当ですか!?』
し「えぇ、よく頑張りましたね。」
『ありがとうございます。』
ぱぁぁぁっと顔を明るくする杏。
しのぶはそんな杏の頭を優しく撫でる。
し「アオイ、準備をお願いね。」