第11章 護衛役
ホッとした様子でお礼を言うカナヲを見て心の中で小さく呟く。
し「あらあら、賑やかですねぇ。」
ア「しのぶさま!!」
カ「師範…。」
『お疲れ様です、しのぶさん。』
突然のしのぶの登場に驚くアオイとカナヲ。
し「杏さん、調子はどうですか??」
『もう3日目ですし、感覚も戻ってきていると思います。』
驚いている2人をそのままにし、会話を続ける杏としのぶ。
し「それは良かったです。そうですねぇ…、では最後は私とやりましょうか。」
杏の答えに満足そうに頷き、提案をするしのぶ。
『しのぶさんが相手をしてくださるのですか??』
し「えぇ。」
『ありがとうございます。』
しのぶが相手をしてくれるということに驚きつつも、嬉しそうに頬を緩ませる杏。
し「では、反射訓練からいきましょうか。」
『はい。』
し「アオイ、カナヲ。審判をお願いね。」
ア「は、はいっ!!」
カ「…コクッ」
すぐに定位置につく杏。
ア「それでは…はじめっ!!」
──ダダダダダダダダダッ
互いに一歩も引かない。
アオイはただただ驚いているが、カナヲはじっ、と2人の動きを観察している。