第10章 番外編 猫
『??…そうですか。』
よくわからないがきっと教えてくれないだろうと悟り、話題を変える。
『まだ時間もそんなに遅くないみたいですし、
これから花屋敷にいらっしゃいませんか??』
不「お前の屋敷に??」
『はい。お礼といってはなんですが、
おはぎ作りますよ。』
ここには材料ないので、と付け加え微笑む杏。
不「…行くかァ。」
うしっ、と腰を上げる不死川。
『えぇ。』
杏も立ち上がり、隣にいたサクラを呼ぶ。
『サクラ。』
サ「ナァニ??」
『最後の方は随分と静かだったけれどどうしたの??』
サ「気ヲ遣ッテタノヨ。感謝シナサイ。」
杏の問いかけにサクラは不死川が奥へ行ったことを確認して口を開く。
『まだそんなこと言ってるの??』
サ「ソレハコッチノ台詞ヨ。」
呆れる杏に更に呆れるサクラ。
サ「私ハ先ニ戻ッテルワネ。」
『分かったわ。』
──バサッ
飛び立つサクラを見る杏の背後から叫ぶ不死川。
不「行くぞォ!!」
『はーい。』
急いで簪を袂に入れ、走って不死川の後を追う。
『ちょっと早くないですか??』