第10章 番外編 猫
サ「マッタクソンナ風ニハ見エナイワネ。」
『……分かっちゃう??』
サ「モチロン。」
んー、と言いながらサクラの頭を撫でる。
杏(…それにしても、私の枕こんなに硬かったかしら。)
そもそも寝ているのが縁側なことにまだ気づいていない杏。
未だに寝ぼけていて目の前がぼやけている。
自分が頭を載せている枕に手を触れる。
杏(…ん??枕じゃ…ない??)
触れた感覚で枕の布地でないことに気づく。
違和感の原因を考えているうちに段々と冴えてくる頭。
杏(そもそも…なんで外が見えるの??
というか、私の屋敷でもない…。)
パチパチと何度か瞬きをして見える景色を凝視する。
杏(ここどこ…??でも見覚えはある…。)
不「目ェ覚めたかァ。」
『え??』
うーん、と考えていると上から降ってくる声。
その声に思わず顔を上げる。
『…不死川さん??』
不「あァ。」
『え??』
上を見て視界に映る不死川を見てキョトンとする杏。
徐々に寝てしまう前のことを思い出していく。
バッ、と勢いよく起き上がる。
『あの…もしかして…ずっと??』