第10章 番外編 猫
それを見て一瞬固まるも、はぁぁぁぁと深い深いため息をつく不死川。
不「ったく、コイツは何度も何度もォ。」
小さく呟き、近くにあった掛け物をとり杏に被せる。
頬をうっすらと染めながら猫耳に触れる。
『ん…。』
ぎゅっと目を瞑り、猫耳をパタパタと動かす杏。
不(…耳は触られたくないのかァ。)
不死川は普段とは違い、下ろしてある髪を撫でる。
日の光を浴び、撫でてもらい気持ち良さそうにスヤスヤと眠る杏。
ふっと笑い、不死川は自身の目も閉じた。
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「…キ…サイ!!オキ……イ!!」
幸せに眠る杏の耳に入る騒がしい音。
杏(なに??もう少し寝かせて…。)
微睡みの中で聞こえてくる音を無視する。
「モウ!!起キナサイ!!杏!!」
──ツンツンッ
『いたっ…!!』
突然頭を突かれ重たい瞼をあげる。
『なに…??サクラ??』
サ「ソウヨ!!
マッタクコンナ昼間カラ寝ルダナンテ!!」
頭は上げないで横になったままサクラを見る杏。
『そうね…。鍛錬でもしようかしら。』