第10章 番外編 猫
昨夜はまったく近づいてくれなかったのに今日は普通に近づいてるしのぶに首を傾げながら問いかける。
しかし、しのぶには伝わらないので会話が続かない。
不「猫苦手なのになんで今日は大丈夫なのか気になってるんだとよォ。」
背後から現れた不死川が杏の言葉を伝える。
し「あぁ…昨夜はたくさんの猫たちを診ましたからね。少し慣れてしまいました。」
しのぶはどこか遠い目をしてふっ、と笑う。
慣れたとは言っているが、猫耳や尻尾には極力触れないようにしている。
『…にゃんにゃにゃにゃあ。
(…お疲れ様です。)』
不「お疲れ様ですってよォ。」
し「ふふっ、大丈夫ですよ。」
ニコッと微笑むしのぶ。
不「おィ、音白。」
『にゃん??(はい??)』
不「隊服届いたぞォ。」
『にゃっ、にゃんにゃにゃにゃあ。
(わっ、ありがとうございます。)』
不死川は隊服の入っている風呂敷を杏に手渡す。
杏は嬉しそうに頬を染める。
『にゃんにゃにゃにゃあ。
(着替えてきますね。)』
不「あァ。」
風呂敷を胸に抱え、杏は昨夜泊まった客間に向かう。
し「…それで、どうでした??」