第10章 番外編 猫
し「着替えはどうなさるんです??」
しのぶは暴れる杏が隊服姿なことを見て尋ねる。
不「新しい隊服の支給先をこっちにしてもらったんだァ。そのうち来るだろうよォ。」
し「なるほど。それでは不死川さん、脱衣所まで杏さんを運んでいただいてもいいですか??
私では運べないので。」
不「あァ。」
不死川がヒョイっと杏を荷物のように肩に担ぐ。
『にゃっ!!にゃんにゃにゃあにゃあっ!!
(きゃっ!!下ろしてくださいっ!!)』
不「下ろしたら逃げるだろォ??
大人しくしてろォ。」
不死川はジタバタと暴れる杏を運び、脱衣所に着くとポイッと杏を放り投げた。
『にゃんにゃにゃにゃあ!!
(何するんですか!!)』
危ない!!と怒りながらも猫のように綺麗に着地する杏。
不「じゃ、後は頼んだぞォ。」
し「はい。」
不死川はピシャッと戸を閉め、出られないように外から衝立を置く。
杏としては蹴破れば出れないことはないが流石に自分の屋敷ではないので破壊することは気が引ける。
しゃがんだままどうしようかと悩んでいる杏の顔に1つの影が落ちる。
し「さ、隊服脱いでくださいね〜。」