第10章 番外編 猫
不死川に諭され、猫耳をシュンと垂れさせる杏。
不(どうすっかなァ。)
ビビりまくっている杏を見下ろしながら考えていると外から声が聞こえた。
し「ごめんくださーい。」
不「胡蝶かァ。」
とりあえず、杏から離れて玄関へ向かう不死川。
杏も慌てて後を追う。
──ガラッ
し「おはようございます。不死川さん、杏さん。
一晩経っての様子を見にきました。
杏さんは……まだ治っていないようですね。」
戸を開けるとニコニコと笑うしのぶがいた。
しのぶは不死川の背後にいた杏の猫耳と尻尾を確認する。
し「何かお困りのことはございませんか??」
不死川を見ながら問いかけるしのぶ。
不「そうだなァ。あァ…、胡蝶こいつを風呂に入れてくれねぇかァ。」
『っ!?』
し「お風呂…ですか??」
不死川の言葉にビクッと反応する杏と首を傾げるしのぶ。
『にゃっ!!』
そーっと逃げようとしていた杏の首根っこを掴んで逃走を阻止する不死川。
不「猫になったせいかお湯を怖がってなァ。
入ろうとしねぇんだよ。」
し「そういうことでしたら構いませんよ。」
暴れる杏を気にもとめず進んでいく話。