第10章 番外編 猫
不「で??」
不死川は杏の顔の両側に手を置き、足の間に片足を入れ動けない状態にする。
『…っ、にゃんにゃ…。(えっと…。)』
体制と顔の近さに杏は頬を赤く染め、視線をそらす。
不「おィ、こっち向けェ。」
『っ、』
左手で杏の顎を掴み、無理矢理自分の方へ向けさせる。
更に顔が赤くなっていく杏。
杏(絶対耳まで赤くなってる…!!)
羞恥のあまり杏はぎゅっと目を瞑る。
不「音白。」
『っ…!!』
耳元で名前を囁かれ、更に顔の温度が上がるのを感じる。
『にゃにゃっ、にゃにゃんにゃにゃにゃあ…!!
(そのっ、お湯が怖いんです…!!)』
杏は観念したように小さく叫んだ。
不「お湯が怖い??」
『にゃにゃんにゃにゃにゃあにゃんにゃにゃあにゃあ…。(洗い物はすぐ終わるし大丈夫なんですけど…。)』
目を瞑ったまま必死に訴える。
不「そういやァ、胡蝶が生態が猫に近づいてるって言ってたなァ。」
不死川は斜め上を見ながら思い出すように呟く。
不「しかしよォ、いつ戻るか分かんねぇのに湯浴みしねぇわけにはいかねぇだろォ。」
『…にゃぅ。(…うぅ。)』