第10章 番外編 猫
ガンッと壁に頭突きし、頭に浮かぶ煩悩を振り払う。
不(とりあえず今日は飯食った後に湯浴みさせてあとは日光浴だなァ。)
しのぶの言っていたように日の光をたくさん浴びさせよう、と心に決め隊服に袖を通す。
──カタン
居間に戻ると杏が御膳を配置し終わったところだった。
『にゃんにゃにゃにゃあ。
(丁度良かったですね。)』
ふわりと微笑み、不死川を迎え入れる杏。
不「ありがとよォ。」
『にゃにゃ、にゃんにゃにゃにゃあにゃん。
(いえ、お世話になっているのですから。)』
それぞれ座り手を合わせ食べ始める。
杏は箸を握り、茶碗を持っているが口をつけずに不死川の反応を待つ。
『にゃんにゃにゃにゃあ??
(お口に合いますか??)』
おそるおそるといった様子で尋ねる。
お菓子作りは得意だが、料理は得意ではない杏。
猫耳や尻尾も垂れた状態だ。
不「あァ。」
一言だったが確かに聞こえた言葉にホッと胸をなでおろす杏。
そのままお味噌汁を啜る。
不「とりあえず飯食ったら薬なァ。」
『にゃん。(はい。)』
他愛もない話をしながら食事をしていく。