第3章 壊された幸せ
童「…なにするんだい??
邪魔をしないでおくれよ。」
あと一歩のところで邪魔をされた童磨は杏の腕を引いたつばきの方をちらりと見る。
童磨が明らかに敵う相手ではないというのはつばきにもわかっていた。
それでも…
つ「そう簡単にかわいい妹を渡すわけないでしょう??」
腕を引いた勢いで杏を背中に隠す。
つ(ゆり姉さんは傷だらけだし、もみじは…生きているかもわからない。杏を守れるのは私しかいない…!!
絶対にこの子だけは守ってみせる!!)
心に決意し、童磨を正面から見据えるつばき。
そんなつばきを見て悲しそうに呟く童磨。
童「どうして人間は無駄なことばかりするんだろう。無駄だと分かっていながらもやるのだから本当に愚かだなぁ。」
つ「うるさいっ!!…杏。逃げなさい。」
童磨の馬鹿にしたような言い方に腹を立てつつも、頭は冷静なつばき。
自分ができるのは時間稼ぎ程度だということも理解している。
『でも、つばき姉さ…』
つ「杏!!……おねがい、あなただけは守りたいのよ。」