第3章 壊された幸せ
童「ん??俺のことかい??俺の名前は童磨。」
『ゆり姉さんを離してっ!!
もみじ姉さんになにをしたの!?』
童磨という男に向かって叫ぶ杏。
童「んー、それは嫌だなぁ。だってこの娘たち美人じゃないか。美人は特別おいしい。あ、君たちも美人だねぇ。」
一瞬困ったような顔をしていたが、最後にはニコニコしながら2人の方を見る。
そして、何かに気づいたかのように顔をぱぁぁっと明るくして嬉しそうに話し始める。
童「そこの君。末の妹だねぇ。見つけられてよかったよ。探したんだよ??“青い彼岸花の君”」
『青い…彼岸花…??』
昼にも言われた“青い彼岸花”。
なんでこいつらはそのことを知っているのか。
どうしたらいいかわからず、固まる杏。
童「さぁ、行こう。“青い彼岸花の君”。
あの方がお待ちだ。」
『あの方…??』
ゆりの手を離し、杏の顔に手を向ける童磨。
あまりに急なことで反応できず、目を見開く杏。
──グイッ
『きゃっ、』
童磨に捕まりそうになった杏を咄嗟に引っ張るつばき。