第10章 番外編 猫
『にゃにゃんにゃにゃにゃあ。
(洗い物は私がしますね。)』
不「あァ、頼む。」
『にゃん。(はい。)』
ニコッ微笑み、台所へ向かう杏。
ちなみに杏と不死川はよくお互いの屋敷を訪ねているため、お互いの屋敷の構造はある程度把握している。
不死川の屋敷でお菓子を作ることもあるので勝手知ったる我が家のような状態だ。
流しに食器を置き、袖を捲くったところでふと、固まる杏。
一瞬、眉間にしわを寄せ考え込んでいたが、すぐに食器を洗い始める。
──カチャカチャ
杏(時間は…そろそろ日付超える頃かしら。)
台所の窓から見える空を見上げながら考える杏。
考え事をしながらすると案外はやく終わるもので、洗い物を終えた杏は手ぬぐいで手を拭き、元の場所へ戻る。
戻ると不死川は寝間着用の浴衣に着替えていた。
『にゃんにゃにゃにゃん??
(もう寝ます??)』
背後から声をかけると、振り向く不死川。
不「今日は色々と疲れたからなァ。」
『にゃにゃにゃあ。(そうですね。)』
微笑みながら不死川の近くへと歩み寄る杏。
不「あー、流石にそれじゃあ寝れねぇよなァ。」