第10章 番外編 猫
──ビクッ
不「??」
不死川としては森の中での任務をこなした後であり、身を清めたいだろうと気を遣ったつもりだった。
しかし、杏は“湯浴み”という単語を聞いた瞬間、ビクッと肩を震わせた。
今も真っ青な顔をしている。
不「音白??どうしたァ。」
『…にゃんにゃににゃんにゃん。
にゃにゃん、にゃにゃんにゃにゃにゃあにゃ。
(何でもないです。明日、明日入ります。)』
不「??わかった。」
杏の不審な言動は気になるが、本人がいいと言っているしまぁいいか、と自己完結させ残りの雑炊を一気に頬張る不死川。
不「ご馳走様でした。」
しっかり手を合わせた後、立ち上がり杏を見下ろす。
『…にゃんにゃにゃん??(なんですか??)』
視線を上に向け、首を傾げる杏。
不「いや、…とりあえず客間に布団敷いとくぞォ。」
バッ、と顔に手を当て杏から顔を隠す不死川。
『…にゃにゃにゃにゃん。
(ありがとうございます。)』
不死川の反応に首を傾げつつもお礼を言い、残りの雑炊を頬張る杏。
『にゃにゃにゃにゃん。
(ご馳走様でした。)』
手を合わせ、2人分の御膳を持って立ち上がる。