第10章 番外編 猫
ふふっと笑い声を漏らすしのぶ。
不「テメェ…おちょくってんのかァ??」
ビキビキ、と額に青筋を立てる不死川。
『にゃにゃにゃにゃん、にゃにゃんにゃにゃあ。
(不死川さん、落ち着いてください。)』
指をボキボキと鳴らす不死川の腕を掴み、止める杏。
し「不死川さん、大丈夫ですよ。」
杏が不死川を抑えているうちに、と話し始めるしのぶ。
不「何を根拠に…っ!!」
能天気にも聞こえるしのぶの言葉に更に苛立つ不死川。
し「そうですねぇ。根拠といいますか、何といいますか。全ては不死川さんにかかっていますからねぇ。」
しのぶはこれまでにない程に楽しそうに微笑む。
不「あァ!?」
し「ま、頑張ってください。応援してますよ。」
杏(…??どういうこと??)
不(コイツっ…!!)
ギリィッと拳を握り、しのぶを睨む不死川。
杏は突然、話がよくわからなくなり首を傾げる。
押し黙った不死川を横目にニコニコしながら鴉に文を渡す。
し「お館様のところまでお願いね。」
──バサッ
しのぶに頭を撫でられ、飛び立つ鴉。