第10章 番外編 猫
当然でしょう、と言いながら書き上げた文を畳む。
不「ちょっと待てェ。なんて書いたんだァ!?」
珍しく慌てた様子を見せる不死川。
し「なにって…、杏さんに猫耳と尻尾が生えたことと、そんな杏さんをしばらく不死川さんの屋敷に留めるというご報告ですよ。」
何か問題でも??と、でも言いたげな表情を浮かべるしのぶ。
『にゃにゃにゃん、にゃにゃにゃんにゃにゃにゃあにゃあにゃん!?(ちょっと待ってください。不死川さんは一人暮らしですよ!?)』
不「そうだ!!」
不死川だけでなく、杏も慌てたように大きな声を出す。
杏の叫びに同調する不死川。
苦笑いを浮かべながら聞いてくるしのぶ。
し「…杏さんは今なんとおっしゃいました??」
不「オレは一人暮らしだって言ったんだよォ!!」
し「そうですね。」
不「そうですね、じゃねぇだろォ!!」
し「あら、何か不都合でも??」
焦り、どんどん声が大きくなる不死川に対して、しのぶは落ち着いており、ニコニコと微笑みを崩さない。
不「不都合しかねぇだろォ!!
音白は嫁入り前だぞォ!!」
し「あらあら、不死川さんがそんな至極真っ当なことを仰るなんて。」