第10章 番外編 猫
そんな2人を見てニヤッと笑うしのぶ。
不「おィ、胡蝶。
なんだその気持ち悪ィ笑いはァ。」
し「なんでもないですよー。」
そんなしのぶを目敏く見つけた不死川だが、軽くあしらわれる。
し「しかし、それなら話は簡単ですね。」
不「何がだァ??」
安心安心、と両手を胸の前で合わせるしのぶ。
し「この状態の杏さんを1人で屋敷へ戻すわけにはいかないでしょう??蝶屋敷だと私がダメですし、他の方では誰も意思疎通ができませんし。」
不「胡蝶、オマエ…まさかァ…」
ニコニコと笑いながら話を進めていくしのぶに悪い予感が過る不死川。
し「杏さんが元に戻るまで不死川さんのお屋敷に泊めてあげてください。」
『にゃ!?(え!?)』
不「はァ!?」
しのぶの提案に思わず大きな声をあげる杏と不死川。
し「不死川さんのお屋敷なら安全面も十分ですし、何より意思疎通が取れるようですからね。」
流れるように椅子に座り直すと、サラサラと紙に何か書いていく。
不「ちょっと待てェ!!
つか、何書いてんだァ!!」
し「何って、お館様に報告の文ですよ。
貴重な戦力の1つである柱の杏さんがこの状態なのですから。」