第10章 番外編 猫
不死川の言葉に笑顔が引きつるしのぶ。
不「今日の任務の鬼が人間を猫に変える血気術だったからなァ。」
『…にゃにゃんにゃにゃにゃあ??
(…治療大丈夫そうですか??)』
不死川に続き、杏も心配そうに耳を下げる。
し「…仕方ないです。やりますよ、ちゃんと。」
ふーっ、と息を吐くしのぶ。
し「とりあえず、杏さんはこの薬をどうぞ。」
杏とは距離をとっているため、近くにいた不死川に薬を渡す。
し「それから、気になってたことがあるので聞いてもいいですか??」
不「??あァ。」
杏もこくんと頷く。
し「私は今の状態の杏さんの言葉は猫の鳴き声にしか聞こえないのですが、不死川さんはなんで会話できてるんですか??」
不「あ??」
『にゃにゃん…。(確かに…。)』
杏(そういえば不死川さん最初から普通に会話できてたな…。)
しのぶの言葉に杏も不死川に視線を向ける。
不「オレにも猫の鳴き声にしか聞こえねェよ。」
『にゃあにゃにゃんにゃ…。
(じゃあなんで…。)』
不「知らねェが、なんて言ってんのか何故か分かんだよ。」
首を傾げ、不死川を見上げる杏とそっぽ向き、頭をかきながら答える不死川。