第10章 番外編 猫
早口でまくし立てながら物凄いスピードで薬を調合するしのぶ。
杏の方を一切見ておらず、杏も首を傾げる。
『にゃにゃにゃあ??(しのぶさん??)』
し「…え??」
思わず声をかけた杏の口からでた猫の鳴き声に驚いたしのぶがバッ、と振り返る。
不「あァ、なんか話せなくなってんだよ。」
驚くしのぶにしれっと杏の言葉について伝える不死川。
し「それでは意思疎通が取れないですね。
しばらく任務はお休みしなくては…。」
しのぶは顎に手を当て、お館様に文を出そうと紙を用意する。
『にゃにゃにゃん!!(それは嫌です!!)』
グッとしのぶに近寄り、少し大きな声で鳴く。
しのぶは顔色を変え、杏からすぐさま距離をとる。
し「うーん、なんて言ってるのかわからないですね…。」
普段通りを装ってはいるが、明らかに顔色が悪いしのぶ。
『にゃにゃにゃあ??にゃにゃにゃんにゃあ??
(しのぶさん??顔色悪いですよ??)』
心配した杏は首を傾げながらしのぶの頬に触れようとスッと手を伸ばす。
し「ひっ…!!」
しかし、しのぶはガタッと席を立ち、物凄いスピードで後ろへ下がった。
『…に??(…え??)』