第10章 番外編 猫
自分の口からでた猫の鳴き声に驚く杏。
不「…………どうしたァ。」
自分の口からでた猫の声に杏が困惑していると、いつの間にか動き出した不死川が見下ろしている。
『にゃ…(あの…)。』
不「うん??」
『にゃにゃにゃにゃあ??
(どういう状況ですか??)』
不「なんで鳴いてんだァ??」
『にゃあにゃにゃにゃにゃあ…。
(私が知りたいです…。)』
不「だよなァ。」
呆然としている杏を抱いたまま大きくため息をつく不死川。
不「とりあえず胡蝶んとこ行くぞォ。
多分あの鬼の血気術だろォ。」
『にゃあ…。(はい…。)
にゃにゃあ、にゃにゃあにゃあ??
(とりあえず、下ろしてもらえます??)』
不「あァ。」
横抱きにしていた杏を足元から丁寧に下ろす不死川。
『にゃんにゃにゃあにゃあ。
(この猫たちはどうしましょうか。)』
不「こいつらは隠に任せる。」
しゃがみ込んで檻の中を覗き込む杏を横目に鴉を飛ばし、隠に指示を出す不死川。
そして、しゃがみ込んでいる杏の頭の上に自らの羽織を被せた。
『にゃん??(なんです??)』
突然降ってきた羽織に驚き、不死川を見上げる杏。