第10章 番外編 猫
不「効いてきたかァ??俺の血はァ!!」
─ 風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風 ─
そう叫びながら鬼に向かって突進し、技をだす不死川。
鬼は先程のように避けようとしたが、稀血の影響でうまく動けない。
鬼「ギャァァァ!!」
そのまま不死川の刃が通り、鬼の頸が宙を舞う。
鬼「いやぁ!!いやぁ!!いやよぉ!!
私の可愛い猫たち!!一緒に行きましょう!!
そうすれば寂しくないわぁ!!」
そう叫び、檻の中にいる元は人間だった猫たちに鋭い伸びる爪を向ける。
─ 桜の呼吸 弐ノ型 桜隠し ─
その鬼の爪をすかさず下から叩き斬る杏。
『そんなことさせるはずないでしょう??』
微笑みながら鬼に声をかけると、鬼は再び恍惚の表情を浮かべる。
そんな鬼の表情を見て背筋にゾワリ、と悪寒が走る。
爪を根本から叩き斬るため、鬼にかなり近づいていた杏。
鬼「やっぱり可愛いわねぇ。アナタは格別だわぁ。
………こんな状態じゃあ完全にはできないけど、きっと可愛いわぁ。可愛いものは可愛い姿でいなくちゃねぇ。」
──ボンッ
『きゃあっ!!』
不「音白!?」
至近距離で鬼が最期の力と言わんばかりに術を放ち、杏の周囲を煙が囲う。