第10章 番外編 猫
『そうですね。』
スッと刀を抜き、構える杏。
『申し遅れました。
鬼殺隊 桜柱 音白杏と申します。
お館様の命により、貴方のお命、頂戴しに参りました。』
ニコッと微笑む。
鬼「…そう。じゃあ、そっちの可愛くない子から殺してしまいましょう。」
自分に刀を向ける2人を見て、不死川を指差しながらニヤッと笑う鬼。
不「やれるもんならやってみなァ。」
ハッと笑い、鬼に斬りかかる不死川。
─ 風の呼吸 壱ノ型 人旋風・削ぎ ─
迷わず鬼の頸に刃を振るう。
鬼「刀を振るう様さえも可愛くないなんて…
やっぱりアナタは愛せないわぁ。」
そう呟きながら不死川の斬撃を軽々と避ける鬼。
そのまま鋭い爪を伸ばし、不死川を攻撃する。
──ザクッ
不「くっ…!!」
『不死川さん!!』
鬼の爪は不死川の左脇腹を掠めた。
うめき声をあげる不死川を心配した杏が叫ぶ。
鬼「ふふふっ。心配して叫ぶ姿も可愛いわねぇ。」
『っ!!』
─ 桜の呼吸 漆ノ型 彼岸桜 ─
いつの間にか背後にまわっていた鬼の言葉に目を見開き、すぐさま振り返り技を出す。