第10章 番外編 猫
杏の方を見つめ、手招きする鬼。
『…私はそんな齢ではありませんから。』
ニコッと、微笑みながらやんわりと否定の意を示す。
鬼「あらぁ、そうなのぉ??」
不死川には目もくれず、杏を恍惚の表情で見つめ続ける鬼。
鬼「アナタは殺したくないのよぉ。
ね、こちらへいらっしゃい??」
『それでノコノコついていくような阿呆はそうそういませんよ??』
鬼「あらぁ、そんなことないわよぉ。だって……」
ニヤリと笑う鬼。
鬼「この可愛い猫ちゃんたちはみぃんな来てくれたものぉ。」
『………まさか…。』
鬼の言葉に目を見開く杏。
不死川も檻の中の猫たちに視線を送る。
鬼「この子たちはみぃんな可愛かったからワタシの愛玩動物にしてあげたのよぉ。可愛くない子たちは殺しちゃったけどねぇ。可愛い子たちは“殺さない”って言ったらこちらへ来てくれたわよぉ。」
楽しそうに話す鬼。
『人を猫に変える血気術…ですか。』
鬼「そうよぉ。
さぁ、アナタもこちらへいらっしゃい。」
不「いい加減にしろォ。おい、音白。
そろそろやるぞォ。」
杏と鬼の会話に割り込み、殺気をこめられた目で鬼を睨む不死川。