第3章 壊された幸せ
ゆりの代わりに杏を抱きしめ、心配するつばき。
ゆ「えぇ。はい、もみじちゃん。」
つばきの心配に微笑みながら答える。
そして、もみじに武器となるような棒を手渡す。
も「行こう、ゆり姉さん。」
ゆりから棒を受け取り、扉の前に立つもみじ。
ゆりはコクンと頷き、もみじの元へ静かに歩いてゆく。
2人はそっと戸を開け、玄関の方へ向かった。
残った杏は不安そうにつばきにぎゅっと抱きつく。
『つばき姉さん…大丈夫かな…??』
つ「……。」
つばきはそんな杏を抱きしめながら無言で頭をなでる。
も「きゃあぁぁぁぁぁーーーーー!!」
つ「っ!?」
『もみじ…姉さん…??』
突然聞こえたもみじの悲鳴につばきの顔が青くなる。
杏もなにか良くないことが起こったことはわかったらしく力のこもったつばきの腕を握る。
つ「っ、行こう!!」
もみじの悲鳴のあと何も聞こえず、2人も戻ってこない。
つばきを焦らせるには十分すぎた。
杏の手を引き、戸を開けて2人の向かった玄関の方へ走るつばき。
杏も必死について行く。
つ「もみじ!ゆり姉さん!無事でいて…!!」