第9章 夢
お「杏が倒れた所を見ていたのは君たちだけだ。
そのときのことを教えてくれるかい??」
炭「は、はいっ!!」
返事をした途端柱たちからの視線を一気に浴び、思わず息を呑む。
流石の伊之助も萎縮しているようで炭治郎の後ろに隠れていた。
炭「しのぶさんから杏さんが1人で猗窩坐の元に向かったと聞き居ても立っても居られず、森の中へ飛び込みました。
森の中では杏さんと猗窩坐が話していました。
少し距離があって話の内容までは分かりませんが、突然杏さんが頭を抑えて苦しみ始めました。
思わず飛び出そうとしたときに伊之助がやってきて、しのぶさんからの指示を聞きました。」
伊「鬼とあんこの周りの木の枝を切れって…。」
普段の伊之助からは想像できないほどの弱々しい声。
炭「既に朝日が登っていたため、陽光が差し込み鬼は逃げて行きました。」
お「ありがとう、じゃあ次はしのぶ。
杏の容態をみんなに説明しておくれ。」
し「御意。」
今度は炭治郎からしのぶへと皆の視線が移る。
し「まず、杏さんに外傷は一切ありません。
煉獄さんの救援に向かう前も2人で任務に行っておりましたがそこでも怪我はありませんでした。」