第9章 夢
楽しそうに話している子どもたちには申し訳ないが、聞かないわけにはいかない。
あ「輝利哉、ひなき、にちか、かなた、くいな。
こちらへいらっしゃい。」
襖を少し開け、手招きするあまね様。
輝「母上。」
ひ.に.か.く「はい。」
無邪気な子どもの顔からいつも通りの大人びた顔に戻るとあまね様の近くに寄っていく。
お「杏。少しだけいいかな??」
『勿論です。みなさん、また。』
あまね様に連れられ部屋を出ていく五つ子に手を振る。
五つ子は嬉しそうに振り返し、あまね様と奥へ戻っていった。
『ゆっくり話したのは本当に久しぶりでした。』
お「確かに、そうだね。
杏も柱になって忙しくなってしまったからね。」
軽く言葉を交わす。
お「…任務でのこと、聞いてもいいかな??」
微笑みながら、静かに問いかけるお館様。
『………どこまで、お聞きになりましたか??』
杏も同じように微笑む。
杏(あの場には炭治郎くんと伊之助くんもいた。私が倒れた経緯はある程度聞いておられるだろう。)
お「杏が上弦ノ参を追い、会話をしている最中に突然、頭を抑えて苦しみだした、というように聞いている。」