第9章 夢
1度、産屋敷家の方々、全員に視線を向ける。
『お館様、あまね様、輝利哉様、ひなき様、にちか様、かなた様、くいな様。
…ご心配おかけいたしました。』
スッと頭を下げる。
お「顔を上げておくれ、杏。」
お館様の言葉に頭を上げる。
お「そんなことは気にしなくていいんだよ、杏。
ここは君の故郷だ。家なんだよ。
何も気にしないでおくれ。」
杏の肩に手を置き、微笑むお館様。
『…はい、耀哉様。』
お「杏にそう呼ばれるのも懐かしいね。」
『ですね。』
ふふっ、と笑い合う。
輝「父上、よろしいですか??」
お「あぁ、勿論だよ。
私とあまねは戻っていよう。」
輝利哉様の言葉に頷くお館様。
お「杏、ゆっくり休むんだよ。」
『はい。』
あまね様に視線を向け、2人で部屋を出ていく。
部屋に残った産屋敷家の五つ子と杏。
『こうやってお話するのは本当に久しぶりですね。
輝利哉様、ひなき様、にちか様、かなた様、くいな様。』
ふわっと微笑む杏。
それを皮切りにわらわらと集まってくる五つ子。
しばらくの間、昔を思い出して盛り上がっていた。