第9章 夢
し「まさかこんなにはやく目を覚ますとは。
驚きましたよ、煉獄さん。」
煉「…これも、胡蝶のおかげだな。ありがとう。」
煉獄はフッ、と口角を上げる。
し「とりあえず、検査をしましょうか。
アオイ、手伝ってちょうだい。」
ア「はい!!」
テキパキと準備していくアオイ。
煉「胡蝶、俺はどのくらい眠っていたんだ??」
し「大体…一月ほどでしょうか。
驚異的な速さですよ。」
煉「少年たちは…」
し「炭治郎くんも善逸くんも、伊之助くんも皆無事ですよ。」
煉「そうか、よかった…。」
弱々しく呟く煉獄。
し「検査には時間がかかります。
もう少し、休んでいてください。」
煉「あぁ、そうさせてもらおう…。」
そのまま、再び目を瞑った煉獄。
──検査の結果…
柱として、鬼と戦い続けるのは困難とされ煉獄の引退が決定された。
煉獄が回復し、動けるようになればお館様より直々にお言葉が贈られるそうだ。
動けない煉獄の代わりに怪我の治っていない炭治郎が煉獄邸へ行き、投げられたとか、元柱に頭突きをかましたとか…。
蝶屋敷へ戻った炭治郎にしのぶの雷が落ちたとか…。
弟の千寿郎が見舞いに来たときに父の様子を聞き、煉獄がとても幸せそうに笑っていたとかなんとか…。
様々な噂が流れたが真実かどうかはわからない。