第9章 夢
し「そうですね…。ですが、こちらなら安全ですから。安心できます。」
あまね様の心配そうな声に笑顔で返すしのぶ。
あ「…ここは、今の杏様の始まりの場所だから、と耀哉は申しておりました。」
し「始まりの場所…。確かに、目覚めるのが早くなるかもしれませんね。」
ふふ、と笑い合うあまね様としのぶ。
し「それでは、私はそろそろ失礼いたします。」
あ「はい。本当にありがとうございました。」
「カァァァーー!!カァァァーー!!」
しのぶが頭を下げ、部屋を出ようとすると一羽の鴉が飛んできた。
スッと腕を上げ、鴉をとめるしのぶ。
「アオイカラノ伝達…!!」
し「アオイから??」
「煉獄杏寿郎ガ目覚メタ!!
至急、蝶屋敷ヘ戻レ!!」
鴉の言葉に目を見開く一同。
し「あまね様、失礼いたします。
お館様へご連絡お願いいたします。」
あ「はい!!」
大急ぎで蝶屋敷へ戻るしのぶ。
な「あ!!しのぶさま!!」
す「こちらです!!」
なほとすみについて病室へ急ぐ。
病室に入ると、いつも程の覇気はないがしっかりと目を開けた煉獄の姿があった。