第9章 夢
お「……でも、無理に思い出させるわけにはいかないからね。今回もだが、これほどまでに長い眠りにつく程、杏にとっては辛い記憶なんだろう。」
し「そうですね。私も、伝手を辿ってみます。
何か分かるかわかりませんが…。」
お「助かるよ。ありがとう、しのぶ。」
ニコリと笑い合うお館様としのぶ。
あ「失礼いたします。」
スッと襖を引き、あまね様が部屋へ入ってきた。
し「あまね様、お久しぶりでございます。」
あまね様の方を向き、手を付き、頭を下げるしのぶ。
あ「胡蝶様。本日はわざわざありがとうございます。お話の途中、申し訳ありません。」
スッと頭を下げるあまね様の後ろにはひなき様、にちか様が控えていた。
お「それじゃあ、しのぶ。そろそろ頼むよ。」
し「はい。失礼いたします。」
お館様の言葉にスッと頭を下げ立ち上がり、あまね様について部屋を出た。
し「────のように…。
はい、そのようにお願いします。」
あまね様とひなき様、にちか様に杏の看護の仕方を伝える。
あ「ありがとうございます。…突然、こちらで預かるだなんて驚かれたでしょう。」