第9章 夢
お館様の言葉に目を見開くしのぶ。
し「1年間……眠り続けていた、ということですか??」
お「あのときは流石に驚いたよ。
でも、それだけ負荷が大きかったんだろうね。」
し(じゃあ、今の杏さんは…………??)
お館様の言葉に嫌な考えが過るしのぶ。
お「今回も、長くなるかもしれない。…襲撃してきたのは上弦ノ参だと聞いているけど…」
し「はい。そのようです。」
お「杏の家を襲ったのは上弦ノ弐なんだ。もしかしたら、同じ上弦である鬼を見て記憶を刺激されたのかもしれない。」
し「上弦ノ弐…………。
その鬼の特徴はわかりますでしょうか??」
しのぶが探している鬼。
最愛の姉、カナエを殺した憎い鬼。
花柱であった姉を殺したのは恐らく上弦の鬼だと目星をつけていた。
炭治郎たちに上弦ノ参の特徴を聞いたが似ても似つかない。
し(もしかしたら…)
僅かな希望をかけてお館様に問う。
お「そうだね。行冥と槇寿郎の話によれば容姿は虹色がかった瞳に白橡色の髪で……そうだ。頭から血を被ったような鬼だったそうだよ。」
──ドクン
【 頭から、血を被ったような鬼だった 】
し(あぁ、…見つけたかもしれない。
…上弦ノ、弐。)