第9章 夢
ア(患者さんたちに薬は出したし、洗濯も終わってる。お昼ももうできてるし、炎柱さまの包帯も替えた…。)
他にも何か追加の仕事だろうか、とアオイが考えているとしのぶが申し訳なさそうに眉を下げ、話し始める。
し「実は、これからお館様の所へ行くことになりまして…。」
ア「お呼び出しですか??」
し「えぇ。
………杏さんを産屋敷邸に置く事になりました。」
ア「杏さんを…。」
予想していなかったしのぶの言葉に思わず目を見開くアオイ。
し「これから隠の方がいらっしゃるので、彼らに運んでいただきます。
私もあまね様に説明をしなくてはいけないので一緒に行ってきます。」
ア「…わかりました。」
未だ目覚めない杏を心配していたアオイにとっては少し複雑ではあったが、頷く。
そんなアオイを見て、小さく微笑むしのぶ。
し「あと、……煉獄さんのこと、頼みましたよ。」
ア「………!!」
し「煉獄さんは今、蝶屋敷において1番の重症者です。しかし、容態が急変することはないと思います。
もし目覚めたら産屋敷邸へ鴉を飛ばしてください。」
いつもどおり微笑むしのぶ。