第9章 夢
このカナヲの言葉に思わず目を見開くアオイ。
いつも何を考えているかわからないカナヲ。
何度か手伝いをしてくれたこともあったが、あまり上手くできず、継子として鍛錬の方に集中していた。
患者たちにはほとんど関わろうとしなかったカナヲが自分から注意しにいくと言っているのが信じられないアオイ。
しかし、自身の服の裾を掴んでいる目の前にいるカナヲは真っ直ぐとアオイの目を見ている。
ア「………わかったわ。
それじゃあ、お願いね。カナヲ。」
カナヲの手を取り、微笑むアオイ。
カナヲもコクコクと、何度も頷いている。
カナヲが病室に入っていくのを見ながら、アオイも診察室へ向かう。
ア(あのカナヲがあんなことを言うなんて……。)
途中、後ろから善逸と伊之助の悲鳴が聞こえたがそれからパッタリと静かになり、小走りで向かう。
──コンコン
ア「アオイです。」
し「どうぞ。」
ア「失礼します。」
ドアを開けた先には鴉を飛ばしているしのぶがいた。
し「来てくれてありがとう、アオイ。」
ア「いえ、どうかなさいましたか??」
アオイは頭の中で自分がやるべきことを巡らせる。