第9章 夢
パッと振り返り取り替えた古い方の包帯を手に慌てて病室を出る。
き「診察室で待ってらっしゃいます。」
ア「ありがとう、きよ。」
小さな少女にニコッと微笑み頭を撫でる。
そのまましのぶの待つ診察室へ向かう。
途中、炭治郎たちの部屋を覗いてみると横になっている炭治郎の周りで騒いでいる善逸と伊之助。
ア(またあの人たちは………!!)
いつもいつも注意しているのに静かにしない3人を見て青筋をたてる。
はぁ、と大きくため息をつき、注意しようと一歩踏み出した。
しかし、
──クンッ
ア「っ、……カナヲ??」
何かに引っ張られ振り返ってみると、服の裾を掴んだカナヲがいた。
カ「………師範が、呼んでる。」
小さく呟くように話すカナヲ。
ア「あ、うん。わかってるわよ。
でも、あの人たち静かにさせないと…。」
話しながら再び部屋の方へ足を進めようとしたが、カナヲは手を離さない。
ア「カナヲ??手を離し…」
カ「私が、言ってくるから…。」
カナヲの方へ向きなおり、手を離すよう伝えようとすると、それに被るようにしていつもより少し大きめの声で話すカナヲ。