第9章 夢
普段から先程のように自分を卑下することが多いアオイのこの言葉に思わず目を見開くしのぶ。
しかし、すぐに本当に嬉しそうに微笑んだ。
し「えぇ、これからもっともっと沢山教えていきますよ。」
ア「はいっ、お願いします!!」
アオイも笑顔で元気よく返事をした。
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その後、処置が終わりそれぞれの病室へ運ばれた煉獄、杏、炭治郎。
意識のない煉獄と杏はそれぞれ個室へ、意識のある炭治郎は善逸と伊之助と同じ病室へ運ばれた。
最も重症であり、包帯でぐるぐる巻きにされている煉獄の包帯を取り替えていくアオイ。
煉獄の顔色は悪くはないが、未だ目を覚ます気配はない。
きれいな包帯を巻き終わり、煉獄の身体にそっと触れる。
ア「頑張ってください、炎柱さま……。」
アオイの脳裏に任務から戻ってきた炭治郎や善逸、伊之助が泣きじゃくる姿がよぎる。
アオイ自身の瞳にも薄く涙を浮かべる。
き「アオイさん!!しのぶさまが呼んでます!!」
背後に突然飛び出してきたきよに驚きながらも慌てて涙を拭う。
ア「っ、わかったわ。今行きます。」