第8章 無限列車
お館様は、悲しみながらも、煉獄を讃えた。
お「二百人の乗客は、一人として死ななかったのか…。
杏寿郎は頑張ったんだね、凄い子だ。
…しかし、私はもう長くは生きられない。
近いうちに、皆のいる黄泉の国へ行くだろうから…。」
そう言ってお館様は、遠くを見つめた。
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「まぁ本当に利発そうな子ですわね。」
「いやぁ、私も子供を授からず落ち込んでいましたが良い子が来てくれて安心です。
血の繋がりは無くとも親子の情は通うもの。
私の跡はあの子に継がせますよ。
ただ皮膚の病に罹っていまして、昼間は外に出られないのです。」
「まぁ、可哀想に…。」
「その特効薬もね、うちの会社で作れたらと思っているんです。1日でも早く。」
夜中、ある屋敷の一室で大人たちが1人の少年について話していた。
──ヒュウ
風が吹く音がするのと同時に少年の部屋の前に跪く猗窩座。
猗「御報告に参りました。無惨様。」
猗窩座に向けた少年の瞳は鬼特有の瞳孔があった。
少年は人ではなく、擬態していた鬼舞辻無惨だった。