第8章 無限列車
杏(…よ、かった…。)
離れていく猗窩座を見て安堵から意識が遠のく杏。
伊「よっしゃぁ!!」
炭「杏さん!!」
炭治郎はフラッと倒れる杏を見て慌てて抱き止める。
炭「伊之助!!急いで戻ろう!!」
伊「おう!!俺が持つぜ!!」
自分よりも負傷を負っている炭治郎の腕から眠っている杏を奪い取る。
炭「ありがとう、伊之助。
でも、もう少し丁寧に運んでくれ。」
脇に抱えるように杏を持っている伊之助に炭治郎が横抱きにするよう伝える。
炭「そうそう!!そんな感じだ!!」
伊「俺に出来ないことはねぇ!!」
ガハハハ、と笑いながら走る伊之助。
そんな伊之助を見ながらも炭治郎も後を追う。
炭「しのぶさん!!」
し「炭治郎くん、伊之助くん。杏さんは…??」
煉獄のとりあえずの処置が終わったしのぶが心配そうに見てくる。
炭「よくわからないんですが、突然頭を抑えて苦しみ始めて…。
猗窩座が去った瞬間、意識を失いました。」
炭治郎の説明を聞き、しのぶは急いで伊之助の腕の中にいる杏の様子を見る。
し「外傷はないようですね。
とりあえず、蝶屋敷へ運びましょう。」