第8章 無限列車
隣にいた炭治郎と伊之助に優しく声をかける。
煉「こっちにおいで。少し、話をしよう。」
静かに歩み寄る炭治郎と伊之助。
炭「………。」
炭治郎は目にいっぱいの涙を溜めている。
煉「思い出したことがあるんだ、昔の夢を見た時に…俺の生家、煉獄家へ行ってみるといい…。
歴代の“炎柱”が残した手記があるはずだ。
父はよくそれを読んでいたが…俺は読まなかったから内容が分からない。
君が言っていた“ヒノカミ神楽”について、何か…記されているかもしれない。」
太陽が昇り、煉獄の鳩尾に貫通していた猗窩座の腕がボロボロと崩れる。
し「っ、」
圧迫して、なんとか止血できていたところから血が流れだす。
し「煉獄さん、できるようでしたら呼吸で少しでもいいので止血をお願いします。」
しのぶさんの言葉に無言で呼吸を整える煉獄。
煉「……胡蝶のおかげで、命拾いしそうだ。
だが、すぐには目覚めないだろう。
…弟の千寿郎には自分の心のまま、正しい道を進んでほしいと伝えてくれ…父には体を大切にして欲しいと…。」
し「煉獄さん。そういうことはご自分の口で仰ってください。…死なせませんから。」