第8章 無限列車
煉「もうそんなに叫ぶんじゃない。」
煉獄の声に弾かれたように振り返る炭治郎。
煉「腹の傷が開く。君も軽症じゃないんだ。
竈門少年が死んでしまったら俺の負けになってしまうぞ。」
優しく、穏やかな煉獄の表情に思わず見入る炭治郎。
し「そうですよ。
私は君の処置にまで手は回りませんよ??」
ふわり、と蝶のように煉獄の隣に立つしのぶ。
炭「しのぶさん!!」
伊「しのぶ!!」
煉「…胡蝶??何故ここに…。」
し「さぁ、煉獄さん。すぐに処置しますよ。」
煉獄の疑問を一蹴し、煉獄を横にするしのぶ。
し「貴方の鎹鴉が知らせてくれたんですよ。
後でお礼を言っておいてくださいね。」
すぐに処置にとりかかるしのぶ。
炭治郎と伊之助はそばで不安そうな顔で見守る。
煉「…胡蝶。」
し「なんですか??」
手は一切止めず、視線も向けずに返事をするしのぶ。
煉「少し、話をしてもいいだろうか。」
その言葉にピタリと動きを止めるしのぶ。
そして、ふぅ、と小さくため息をついた。
し「いいですよ。炭治郎くん、伊之助くん。
煉獄さんの安否確認のためにも話を聞いてあげてくれますか??」